


著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回は、演出家・テリー伊藤さんの「お魚亭」の「魚料理」だ。
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テリー伊藤は酒場をうろうろしているイメージがあるでしょ? ところが僕はお酒が飲めない。だから飲食店には純粋に食事を楽しみに行きます。浮気せずに何十年もずっと通っている店が多いですね。
自宅近くの七里ガ浜にあるこのお寿司屋さんも30年以上のつきあいになります。都内で仕事が早めに終わったら、いてもたってもいられず車を飛ばして出かけたくなる。夕暮れ時、海岸沿いの国道134号を走ると、富士山と海の眺めが素晴らしくて。都心にもいい店はあるけれど、このロケーションで地元のおいしい魚が食べられるから特別感がありますよね。
とくに天然の鰯料理は絶品。握りはもちろん、大きなお椀で出されるつみれ汁も新鮮だからこそ味わえます。寿司以外に鰯のフライや南蛮漬けなど一品料理もうまいですよ。じつは数年前から湘南にある慶応の大学院に通っていて、帰りに立ち寄ることも多い。食事の後、カウンターが勉強机になってしまうこともあるんですよね(笑)。
(取材・文/沖村かなみ)
「お魚亭」神奈川県鎌倉市七里ガ浜東3‐1‐9/営業時間:11:30~14:30L.O.17:00~21:30L.O./定休日:木(祝日の場合は振り替え)
※週刊朝日2020年3月20日号