2008年から09年にかけて現職市長最年少記録を塗り替えた、倉田哲郎・箕面市長(38)と熊谷俊人・千葉市長(34)。地域で活躍する若手市長が橋下徹・大阪市長(42)の府内外での評価や、もしも維新の会が国政のキーになったら、という話まで語り尽くした。
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倉田:大阪府外の人と話すと気づくけど、府内でしか報道されない橋下像っていうのがたくさんある。実際は結構、地道なんです。府内の人はそういう橋下像とエキセントリックな橋下像の両方を見ているので納得感があるんですが、全国ニュースでは突き抜けたところだけが報じられるので、だいぶ感覚が違うんでしょうね。あの人、ああ見えてかなり素直なんですよ。みんなが「これ、おかしいんちゃう?」「これ本当はこうなったらいいのに」と言っている話を吸収し、咀嚼して発信しますから。
熊谷:あれだけ国政に関心があるんだから、国政に行けばいいと思うんですが、総選挙になっても橋下さんは市長のままでいるんでしょうね。私はずいぶん前から予言していますが、大阪維新の会が国政のキーを握ったら、首相は別の人でも、この国の最高指導者は橋下さんになる。これは統治機構として、ある意味、完璧なんですよ。橋下さんは「教祖」だから、維新の会の議員が失敗したら「議員が悪い」、逆に良いことをしたら「橋下様が良かったからだ」となる。橋下さんは精神的支柱として御簾の奥にいて、周囲が物事を進めやすくするため権威を落とさないようにする。中国の最高指導者だったトウ小平(トウは登におおざと)のようにね。(笑い)
※週刊朝日 2012年6月29日号