厚労省はまた、医療機関が遺体搬送を依頼する際に新型コロナの感染や、その疑いがあることを伝達するようにお願いしている。それでも実際に感染したのかわからないまま亡くなる「隠れコロナ」の場合もあり、現場には不安がつきまとう。

「最近の死因で目立つのが肺炎で、一番多いのが自宅で重症化し、救急搬送されてそのまま亡くなるケースです。この場合、PCR検査がされないまま、葬儀社に遺体が渡っている可能性があり、感染者かどうかわからない。お迎えに行くときに看護師の格好を見て、疑心暗鬼になりながら対応しています。どこから感染するかわからず恐怖です」(渡辺さん)
 現状のままでは感染拡大を招く恐れがある。

「ご遺体の引き渡しや葬儀の執り行い方について、ルールがまったくない状態。経営的に参列者をたくさん呼ぼうとする葬儀社もあります。今後、葬儀場から感染の拡大は絶対に起こるでしょう。判断を現場に任せるのではなく指針をしっかり統一してもらいたいです」(同)

(本誌・秦正理)

週刊朝日  2020年4月17日号

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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