それなのに、マニラの空港ではグラブタクシーがちゃんと入っている。

 カウンターにいた女性に聞いてみた。

「スマホはあるけど、ネットにつながっていないんですけど」
「大丈夫。私がネットで呼ぶので」

 彼女のスマホに運賃が提示された。通常運賃の4割増し程度だった。クーポンタクシーやぼったくりタクシーよりは安い。

 車はすぐにやってきた。マニラ市街に向かう車のなかで運転手が話しかけてきた。

「普段は一般タクシーに乗ってるんですが、今日は休み。アルバイトです」

 混乱してくる。配車アプリ型タクシーは、客がネットを使ってタクシーを呼ぶシステムだった。運転手もこれまでのタクシーとは違う質を求めていった。ところがマニラではグラブタクシーのスタッフが車を呼び、運転手も既存のタクシーの運転手。グラブタクシーとブランドが替えられただけ?

 アジアはやはりくせ者である。

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