湯山:あの会見は「感動」すら覚えましたからね。あの白いワンピースとメイクと髪のほつれ具合の黄金の組み合わせは、決して自分の恋愛感情を恥じることがない、堂々とした「自然体」の表れ、だったよね。あの「きちんとしていなさ」加減が、予定調和が当たり前の記者会見において、非常に新鮮だった。

山田:ちょっとしわしわだったの、ワンピースが。髪もぼっさぼさで会見場に出てきたんだよね。あれ見た時に、やられたなって思った。本当に斉藤由貴には勝てないと思った。

湯山:世間様に許してもらおう、という作為はそこにはなかった。あの時のきょとんとした目とか、間。あれが演技だったらすごい。心ここにあらずっていう。

岡野:演技じゃないかもしれないけれど、そういう素質を持っている人だったのかもね。だから女優としても花開いた。

山田:結局旦那さんも彼女を許したし、お仕事にも比較的早く復帰できた。

──不倫といえば、「不倫は文化」の石田純一さんを忘れていませんか。

山田:純一さんは現在の奥さんの東尾理子さんの存在が本当に大きいと思います。うわさになったモデルと純一さんが結婚していたら、息子のいしだ壱成君や、すみれちゃんは、きっと今みたいに純一さんのお宅に行けなかったと思う。石田家の芸能ファミリーとしての今は、彼女の存在なくしてはあり得ない。

湯山:あと、昔の不倫で言うと、扇千景の夫で歌舞伎俳優の坂田藤十郎の艶福家(えんぷくか)ぶりはすごかった。

山田:歌舞伎の人は、なぜか笑いにもっていける。

岡野:昭和の初めの頃は愛人と本妻が仲良くなる、というのが結構あったんですよね。妻も愛人も一人を共有する、ある意味「ファンクラブ」会員になってる。

湯山・山田:あるあるある。

山田:昔の不倫は、本能のままにやっていたというか。

湯山:大竹しのぶの演技力はお墨付き。この人にとって恋愛は、感情表現の訓練場、にすら思える。しかも、相手がすべてその道の一流の男たち。それでいて、男の色に全然染まっていない。

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