プロ野球は開幕できるかどうか、開幕後に新型コロナウイルスの感染者が出た場合の運営をどうするかといった「開催ありき」の議論を今は行っている。だが、もう少し時が経てば、選手のオフに向けた「補償」に対する議論も並行して行わなければならない。「野球」という文化を守るために、何が必要か。考えられる「新型コロナウイルス特例」は徹底的に話し合われるべきである。
ドラフト会議は11月5日に設定されている。全国規模のアマチュアの大会が相次いで中止となっている中で、スカウト陣は今までの評価をもとに判断を下すしかない。ただ、高校生はどうか。冬を越え、春、そして夏へと、体の成長とともに、一気に才能を開花させる選手もいる。いわゆる「伸びしろ」の判断ができるであろうか。今は全国に足を運んで自らの目でチェックすることもできない状況である。ドラフトに関しても何らかの「特例」は必要になろう。そしてドラフトこそ、プロとアマでじっくり話し合うことが必要になってくる。
海の向こうの大リーグでは、アリゾナ州とフロリダ州に15球団ずつが分かれ、公式戦開催なんてプランも報じられている。確かに1カ所に集まれば、移動に伴う感染リスクは抑えられるが、多くのチームが1カ所に集まれば、無観客開催でもファンが集まってくる。何とも難しい。
※週刊朝日 2020年5月1日号