普段は2~3カ月に一度のペースで会って食事していたという2人。互いに「こんなに長い付き合いの友達、他にいないよね」と話していた。最後に直接会ったのは、昨年11月の井上さんの誕生日会。その翌朝には、会の感想とともにこんなメッセージが送られてきた。

「一度きりの人生、お互いに楽しみましょう!春になったら(友人同士であらためて井上さんの誕生日を祝う)ご飯会、企画しますからね。お楽しみに!」

 食べることも、お酒も大好きだったという岡江さん。お酒を飲むと「あ~気持ちいい!」と笑顔で言うのが口癖だった。井上さんと一緒に、遅くまで食べたり飲んだりした夜は数知れず。食事に行くと、必ず「次行こう!」となって、バーをはしごするのがお決まりだった。

 1軒目では、ビールから始まってワインをボトルで1~2本ほど。その後2軒目のバーで大好きだったモヒートを2杯。3件目でシャンパンをまたボトルで、1本じゃ済まずに次のボトルへ……。

「私が酔うので、必ず家まで送ってくれました。お美津と一緒に飲むのは、すごく楽しいお酒。ハシゴの途中で、コンビニに飛び込んだかと思えば、『これがすごくいいのよ!』と、塩味の茹で卵に、こってり味のカップヌードル、ヨーグルトドリンクをパパッと買って、渡してくれたり。そうやってバーからバーへの移動時間でさえも楽しむような人でした。“有名人然”としたところが一切なくて、レストランに行っても、本当に普通の人を貫いていました」

 楽しいことがとにかく大好き。いつも元気で明るく「ポジティブの極み」だった。竹を割ったような男っぽい性格で、じっとしていることを知らないほど行動的だったという。

「どんどん物事が進まないと嫌で、ぼーっとしている時間が大嫌い。1日のスケジュールを立てて、隙間時間を見つけたら、『この時間にこれができる!』とパズルのように当てはめて、予定をみっちり入れるのが好きでした。潔い生き方というのかな、颯爽と仕事して、遊ぶときは思いっきり遊ぶ。美しく、かっこいい生き方でした」

 60代を前にした“人生後半の予定”についても前向きだった。1996年から2014年にかけ、17年半にわたってメイン司会を務めたTBS系情報番組『はなまるマーケット』を終えた時には、「これからは自分の人生だ!残りの人生を貪欲に楽しむぞ~!」と話していたという。

「これから旅行もたくさん行きたいと話していました。この間も、近々私のハワイの別荘に『長く滞在させてね』と言ってくれたところだったのに……」 

(本誌・松岡かすみ)

※週刊朝日オンライン限定記事

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松岡かすみ

松岡かすみ

松岡かすみ(まつおか・かすみ) 1986年、高知県生まれ。同志社大学文学部卒業。PR会社、宣伝会議を経て、2015年より「週刊朝日」編集部記者。2021年からフリーランス記者として、雑誌や書籍、ウェブメディアなどの分野で活動。

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