2007年、「週刊朝日」の対談企画に登場した際の岡江久美子さん(撮影・石野明子)
2007年、「週刊朝日」の対談企画に登場した際の岡江久美子さん(撮影・石野明子)
週刊朝日の表紙を飾った美しい岡江久美子さん(1980年7月11日号)
週刊朝日の表紙を飾った美しい岡江久美子さん(1980年7月11日号)

「久美子が帰ってまいりました。こんな形の帰宅は本当に残念で悔しくて悲しいです」

【写真】週刊朝日の表紙を飾った美しすぎる岡江久美子さん(1980年7月11日号)

 女優・岡江久美子さんの夫で俳優の大和田獏さんは、遺骨となって帰宅した岡江さんを胸に抱え、自宅前で報道陣にそう語った。

 4月23日、新型コロナウイルス感染による肺炎のため、岡江さんはこの世を去った。63歳だった。

 3日に発熱症状が出て自宅療養をしていたが、6日に容態が急変し入院。集中治療室(ICU)で人工呼吸器をつけての治療を続けていた。のちにPCR検査で陽性と判明したという。岡江さんは昨年末には初期の乳がんで手術を受けていて、1月末から2月半ばまで放射線治療を行なっていた。そのため「免疫力が低下していたのが重症化した原因かと思われます」と所属事務所は発表している。

 岡江さんのコロナウイルス感染や入院や感染はそれまで公表されておらず、突然の訃報だった。「僕たちも全然知らなかったので、本当に大きな驚きがありました」と、芸能リポーターの石川敏男さんは言う。

「共演した人はみんな口を揃えて『素敵だ』と言うぐらい、視聴者も含めて嫌う人が本当にいない方でした。『はなまるマーケット』は、彼女の良さが全部出ていましたね。とにかく明るくて男性的な部分もあり、裏表がない。乳がんの治療をされていたことも知りませんでしたし、コロナウイルスへの感染を知らせなかったのも、そういうご自分のイメージを崩したくないという気配りが最後まであったのではないでしょうか」

 かつて情報番組「ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)で大和田獏さんと共演したことをきっかけに親しくなり、その後も獏さんや娘の大和田美帆さんと親しい交流を続けた芸能リポーターの長谷川まさ子さん。

訃報を受け、長谷川さんが大和田獏さんに連絡をしたところ、獏さんは長谷川さんに、こんなメッセージを託した。

<死を無駄にしたくない。ものすごく怖いウイルスです。自粛要請が出ていますが、自分のこととして考えて、自粛してください。気をつけてください。それが今の願い、祈りです>
 
 その日のことを、長谷川さんが次のように明かしてくれた。

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大和田獏さんが語っていた二人の馴れ初め