幸せに長生きする秘訣はあるのか? ボケずに長生きするための手軽な方法を伝授する『100歳までボケない101の方法』(文春新書)の著者で医学博士の白澤卓二氏に聞いた。

*  *  *

 幸せな長寿のためには、ボケないことも非常に重要です。アルツハイマーは、以前は原因不明の難病とされてきましたが、最近になって因子がわかってきました。肥満、喫煙、糖尿病、高血圧、低教育水準、うつ病などです。自分の努力で予防できることもたくさんあるので、リスクを少なくすることが鉄則です。

 気をつけたいのが、心の問題。うつです。うつはアルツハイマーのリスクを高めますし、心のアンチエイジングのためにうつの予防はとても重要です。

 うつと対極にある状態はなんでしょうか?「ときめき」です。何かにときめいている人はうつにならないんですよ。

 一人でときめくことはなかなかできないので、環境づくりが大切です。たとえば、私は「10歳若返るアンチエイジングキャンプ」というのを実施しています。登山家の三浦雄一郎さんの父で、101歳までスキーをしていた三浦敬三さんが雪山にときめいていたという話をモデルに、雪山にかんじきをはいて入っていくんです。みなさん子どものようにはじゃぎますね。これこそうつの対極にある状態です。

 ときめく対象はなんでもいい。ヨン様でもいいし、犬でもいい。何か好きな趣味でも。さあ、大いにときめきましょう。

※週刊朝日 2012年5月18日号