■こんな時代だからこそ感じる、アーティストとして活動できる幸せ

 2006年に歌手デビューした絢香だが、結婚・出産を経ていまや2児の母である。だが、「音楽で誰かの背中を押せる存在でありたい」という思いは現在も変わらない。こんな時代だからこそ、音楽の力を信じている。

 絢香はアーティストとしての自身の強みを、どう捉えているのか。

「誰よりも歌が好きという気持ちは負けないですね(笑)。15年経っても、歌っている時は楽しくて仕方がない。いまでもステージに立つと涙が出るほどうれしい気持ちになるんです。その思いを歌にこめて、聴く人にパワーを伝えられたらいいな」

 アーティストとして、どんな未来図を描いているのか。

「できる限り歌い続けたい。おばあちゃんになっても絶対に歌い続けていると思うので、10年後も20年後も自分の作品でツアーをして。こういう時だからこそ、そういうことが一番幸せなんだと思います」

 誰かの心に灯す希望の歌を歌い続ける。いま音楽にできること。シンガーソングライター・絢香の物語は終わらない。(取材・文/池田鉄平)

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