作家・室井佑月氏が、コロナ禍にもかかわらず、検察庁法改正案を採決しようとする安倍政権に物申す。
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5月10日のテレビ朝日のニュースによれば、新型コロナウイルスによる東京の死者数が19人から171人に大幅変更されたらしい。
厚生労働省は、これまで都道府県から報告される感染者の情報を1人ずつ積み上げる形で集計し、それを公表していたという。
「しかし、3月下旬以降、感染者が急増した都道府県から詳しい情報が報告されず、実態と合わなくなっているため、9日から都道府県がホームページで公表する情報を集計する方法に改めた。これにより、感染者数は大きく変わらないものの、8日時点の東京都の死亡者を『19人』から『171人』に、全国の退院した人と自宅・宿泊療養が終わった人の合計を『6583人』から『8127人』に大幅修正した」
何をやっているんですかね。厚労省は、新しい情報管理システムを今月中にも導入する予定だという。今から? もう一度いっちゃう。今・か・ら?
新型コロナウイルスのせいで、たくさんの人たちが辛い思いをしている。それはもちろん、感染してしまった人であったり、お亡くなりになった人であったり、その家族であったり。
そのほかにも国から自粛や休業を強いられ、仕事を失い、この先どう生きていいかわからない人もいる。いいや、この先なんかじゃなく、今これ以上、生きていくのは無理だという人も出てきてる。
未知のウイルスだからどうしていいかわからない──。国があたしたちにそういえる時は、完全に過ぎた。新型コロナ関連の数字を、これからきちんと把握していくってどうなのさ。 そういえば4月29日の時点で、国会にて安倍首相は森ゆうこ議員に、「どのくらいの国民が新型コロナに感染しているのか?」と尋ねられて答えられず、逆ギレしていたっけか。あたしたちが死のうがどうなろうが、興味がないんだろうね。
そのくせ、安倍首相はこんな非常時に、検察官の定年を65歳に引き上げ、自分の息のかかった黒川弘務・東京高検検事長の定年延長を閣議決定し、検事総長に据えようとしちゃって。