100年近い歴史に幕を閉じた割烹旅館玉川(千葉県船橋市)=撮影・池田正史
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増えるコロナ関連の経営破たん (週刊朝日2020年6月5日号より)
増えるコロナ関連の経営破たん (週刊朝日2020年6月5日号より)
コロナで激減した訪日外国人数 (週刊朝日2020年6月5日号より)
コロナで激減した訪日外国人数 (週刊朝日2020年6月5日号より)

「新型コロナウイルスで“とどめ”を刺されたようなものです」

【グラフ】驚きの結果!コロナ関連の経営破たんはここまで増えた

 千葉県船橋市の老舗旅館「割烹旅館玉川」の小川了支配人は、ため息を漏らす。5月19日、4月末で営業をとりやめたことを明らかにした。

 創業は1921(大正10)年。まもなく100年の歴史を重ねようとしていた矢先だった。76(昭和51)年の火災で建物の一部は焼けてしまったものの、昭和初期に建てられた木造の建物も残っており、国の有形文化財に登録されている。作家の太宰治が35年に20日余り滞在した部屋もあり、それを目当てに訪れる宿泊客や外国人も少なくなかった。

「昨年秋に台風が2度直撃し、もともと古かった建物の傷みは余計にひどくなり、修繕や管理にかかる費用が膨らみました。東京五輪の延期を受けて予約客のキャンセルが集中し、もう全面的に補修するのは難しいと判断し、旅館をたたむことにしました」(小川さん)

 コロナの感染拡大は経済や産業に大きな打撃を与えている。営業休止や時短営業の要請で、事業活動が制限されるとともに、外出の自粛で消費者が街に出なくなった。訪日外国人客(インバウンド)も激減。企業や店の売り上げは減少し、経営に行き詰まるところが増えている。

 東京商工リサーチによると、新型コロナ関連で倒産を含めて経営破たんに追い込まれた企業は5月22日時点で172件に達した(うち倒産は113件)。宿泊・ホテル関連のほか、飲食業やアパレル関連など、インバウンド需要や個人消費に支えられていた業種が目立つ。音楽教室の運営会社や配食サービス、学校給食向けの食材販売会社などもある。1860年創業の醤油メーカー「とら醤油」(岡山県)など、古くから地域経済を支えてきた企業も少なくない。

 東京・上野にある森鴎外ゆかりの旅館「水月ホテル鴎外荘」も、5月末に約80年の歴史に幕を閉じる。女将の中村みさ子さんは「コロナをきっかけに、あくまで自主的に閉館の道を選んだ」と明かす。

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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