東京都の石原慎太郎知事(79)と橋下徹大阪市長(42)が4日、大阪市北区のリーガロイヤルホテルで会談を行った。永田町からも注目を浴びた会談だったが、その後、普段は饒舌な2人が黙りを決め込んでいる。その原因は"微妙なズレ"だった。
新党構想は当初、石原氏とたちあがれ日本の平沼赳夫代表(72)の話し合いで始まった。途中から、政権与党内での生き残り策を模索していた亀井静香前国民新党代表(75)が加わり、話が一気に生臭くなった。
石原氏と亀井氏は自民党のタカ派集団「青嵐会」の流れをくむ「自由革新同友会」時代からの盟友。1989年に石原氏が自民党総裁選に出馬した際は、平沼氏と推薦人に名を連ねた。
「新党構想は、亀井さんの延命のために石原さんが一肌脱ごうという、友情支援的な側面が強くなっていった」(国民新党関係者)
一方、維新の会の代表である橋下氏のスタンスは明確だ。
「各党や有力政治家から『取引』の申し出がたくさんある中で、『業務提携』の相手を急いで絞り込む必要はない。衆院の解散時期を見極めつつ、当面は3月に立ち上げた維新政治塾で衆院選候補者の絞り込みに集中する」(維新の会関係者)
維新の会の幹事長である松井一郎大阪府知事(48)も「どこと組むとか、誰と一緒にやるとか言うタイミングではない」と強調する。「橋下さんははなから『亀井さんが何をしようが放っておけばいい』というスタンス」(維新の会幹部)
力を借りるなら政治的影響力が計算でき、「大阪都構想」などで協力してもらえる石原氏だけで結構というドライな計算が働いているようなのだ。
※週刊朝日 2012年4月20日号