これまで必要とされなかったスリッパも不可欠だ。床にウイルスがついていた場合、足について自分のスペースに持ってきてしまう恐れがある。スリッパを脱いで、自分のスペースにはウイルスを持ち込まないというのが理想だ。高齢者の場合、スリッパは脱げやすく、上履きのほうが使いやすい。

 また、災害が起これば、医者に診てもらい、薬をもらうまで時間がかかる可能性がある。持病の薬は避難用に少し多めにもらっておこう。お薬手帳があれば、受診がスムーズだ。その他、メガネや補聴器など忘れずに持っていくべきものもある。

「外出自粛で感染者が減ったことを見れば、新型コロナは適切に対応すれば制御できる、ということがわかってきた。やみくもに恐れる必要はなく、正しく恐れる必要がある。気をつけたいのは感染していても無症状の人がいるということ。症状がなくても全員がしっかりと対策をする必要がある」(尾島教授)

 万が一に備えて、準備を始めよう。(本誌・吉崎洋夫、松岡瑛理)

週刊朝日  2020年6月19日号より抜粋

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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