写真はイメージです(Getty Images)
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 緊急事態宣言が解除され、多くの飲食店が再開し始めた。まだ大人数での宴会とはいかないが、少人数での予約が入る店もあるようだ。ただ心配なのは無断キャンセル。損害が出るのは避けたい。でも裁判するほどの手間、暇、金はかけられない。店も対策に頭をひねるなか、料金を回収するサービスも登場している。

 飲食店に予約を入れながら店に連絡もせず、無断キャンセルするのを「No show(ノーショー)」と呼ぶ。利益率の低い飲食業界では閉店に追い込まれるほどの深刻なダメージとなっている。

 経済産業省のウェブサイトによると、飲食店の予約全体の1%弱を占め、その損失は最大で2千億円と推計されている。飲食事業の市場規模は25兆円で、一般的に売上高のうち食材の原価3割、人件費4割弱、家賃光熱費など固定費3割となり、利益はわずか数%。

 飲食店に予約を入れると、指定した日時に来店するという契約が成立する。最近はキャンセルについて「キャンセルポリシー」を明示するケースが増えてきている。来店しなかった場合は民法415条の債務不履行になり、代金を支払う義務が生じる。あるいは同709条の不法行為となって損害賠償を請求される。

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