「昨年10月、正恩氏が金剛山観光地区を視察し、海金剛ホテルなど韓国側が建てた施設の前で『見るだけでも気分が悪くなる。ぶっ壊せ』と語っています。もう韓国はアテにしない。北朝鮮独自で事業を進めるという脅しです。ですから、今度は金剛山の韓国側のホテルが破壊されるのではないかという臆測が広がっています。また、DMZ(非武装地帯)内に監視所を建てて迫撃砲部隊を投入するなど、段階的に圧力をかけてくるでしょう」
北朝鮮の挑発行為は年末ごろまで続くのではないかと予測されている。北朝鮮が強硬姿勢に転じたのは、制裁の長期化による国内の食糧難で民心が悪化していることが背景にあるという。
「いつもの手口ですが、『敵』を外に作って国民の関心をそらすための政治ショーです」(裵氏)
新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験の兆候もある。北朝鮮は昨年10月、水中発射台から「北極星3」を試射している。
「SLBMの発射実験がそろそろあるのではないかといわれています。潜水艦から発射する技術を見せつければ、米国をかなり刺激することになります」(同)
指導者としてすっかり堂に入った与正氏だが、発射実験も見届けるのか。(本誌・亀井洋志)
※週刊朝日 2020年7月3日号