「3.11震災孤児遺児文化・スポーツ支援機構」のキックオフパーティーが2月25日に東京で開催された。この機構は、東日本大震災で親を亡くした子どもたちの将来の夢をサポートする目的でつくられ、会長を務める作曲家の三枝成彰さんの名にちなんだ「三枝塾」の通称で活動している。

 スポーツ選手、タレント、医師、パティシエといった、子どもたちの幅広い夢をかなえるため、支援対象も、学術分野からスポーツ、伝統文化までバラエティー豊かだ。三枝さんや、本誌連載対談でおなじみの作家の林真理子さんの呼びかけで、すでに作詞家の秋元康さんや日本画家の千住博さん、日本サッカー協会名誉会長の川淵三郎さん、元プロマラソンランナーの有森裕子さんら、その道のプロ約50人が、支援や協力を申し出ている。

 今年1月から、支援第1号としてピアニストを夢見る宮城県石巻市の孤児に楽器の提供と講師の派遣をしており、ピアノを贈呈した時の模様がモニターで上映された。

「私たち文化人ができることが何かをずっと考えてきた答えの一つです。震災で傷ついた子どもたちに息の長い支援を続けたい」

 と、林さんは意気込む。

 三枝塾は現在、塾生を募集中。震災で親を亡くした子どもたち約2千人が対象で、孤児や遺児が成人するまでの最長20年間の支援を行う。塾生と面談して必要な支援内容を決める。支援内容は、学校の勉強を見るボランティア家庭教師を派遣したり、音楽やスポーツの教室に通えない子どもたちに講師を派遣したり。東京へのミニ留学や研修などの受け入れ、必要に応じ、海外留学のサポートも行うという。入塾希望は、東北地区事務局(電話□022-302-3244)で受け付けている。費用は賛助会員からの会費(年間費1万円~)でまかなう。会員になる方法は三枝塾の公式ウェブサイト(https://sites.google.com/site/saegusajuku/)へ。

※週刊朝日 2012年3月16日号