緊急事態宣言が解除されてから1カ月。世の中は“日常”を取り戻しつつあるものの、飲食店などは依然として厳しい状況にある。個人事業者が活用できる「もらえるお金」は?
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日本橋で天ぷら屋を営む店主が話す。
「お客さんは戻ってきましたが、3密を避けるために席を半分にしているため、かき入れ時のお昼に結構な数のお客さんを逃しています。テイクアウトっていう手もあるんでしょうが、ウチはできたてを食べてもらう店だからそうはいかない。コロナ以前の6~7割の売り上げにしかなりません」
接待を伴う夜の飲食店も追い詰められている。日本一の高級歓楽街・銀座は大半の店が東京都の要請どおり、自粛を続けたという。
「お客さんにホステス、黒服を合わせると銀座だけで100人以上の感染者が出たと言われています。だから、クラブは大半のお店が最後まで営業を自粛。志村けんさんの感染が判明した3月下旬から、お客さんが激減したので、3カ月も休業を余儀なくされた。お金が底をついたので、2カ月も家賃を滞納しています」(銀座のクラブママ)
銀座社交料飲協会では、コロナ対策のガイドラインを作成。それにのっとって、パーテーションを設置するなどの対策をとった店舗には、「優良店」のポスターが発行されるが、「パーテーションで仕切られた銀座のクラブなんて興ざめ、と親しいお客さんに言われて、この先の客入りが心配」(同)という声も。アフターコロナの経営不安はしばらく後を引きそうだ。
そんな飲食店経営者などにフル活用してもらいたいのが、「コロナでもらえるお金」。国や自治体が予算をつけ、コロナ対策に取り組む事業者の支援を目的に用意された給付金制度だ。
ほとんどの事業者が、自治体が用意した「感染拡大防止協力金」(東京都の制度名)の申請は済ませていることだろう。休業要請に従って休業、ないし時短営業に取り組んだ事業者であれば、1事業所につき50万円、2事業所以上で100万円(東京都の例)がもらえる制度だ。さらに、東京都では5月25日まで休業・時短営業した事業者を対象に追加で50万円(2事業所以上は100万円)給付する“第2弾”の申請受け付けが6月17日から始まっている。2度の給付が受けられるので、該当者は忘れずに申請しておこう。