アルシデス・エスコバー(ヤクルト)の守備はメジャー屈指。巻き返しを図るヤクルトにとって、センターラインに柱ができた。

 03年、16歳ながらブルワーズと契約。レギュラーとして145試合出場した10年オフ、カンザスシティ・ロイヤルズに移籍。遊撃手に定着して15年にはオールスターゲーム出場を果たす。打撃に関しては飛び抜けてはいないものの、それを補う守備力が持ち味。15年にはゴールドグラブ賞を獲得するとともに、ロイヤルズの世界一にも貢献した。

 メジャー通算成績は、1437試合出場、1367安打41本塁打442打点174盗塁。

 前評判どおり「守備には自信がある」とエスコバーはロイヤルズ時代に語っている。

「守備が持ち味。特に送球は目をつむっていても確実に投げる自信がある。『このあたりに投げれば大丈夫』というのを身体が覚えている。だからまずは捕球して球をしっかり握ることに集中する。三遊間の打球は捕球してそのまま送球へ移るようなイメージを持っている」(エスコバー)

 エスコバーに求められるのは、守備の比重がほとんだと予想する。

「典型的な早打ちで出塁率も良くなく、当てるだけの打撃。打率.250、出塁率.300あれば十分。守備は高レベル。また日本は人工芝球場が多いのでアドバンテージになる。ヤクルトの課題はショートのポジション。打てなくとも、センターラインを固めようというチームの意図がしっかりしている。年俸も高くないのでうまく補強した印象」(大慈彌氏)

 今回紹介した3人は間違いなく『本物』。競技は違うがサッカーのJリーグではヴィッセル神戸にアンドレス・イニエスタが加入し話題になったが、やはり大物の加入は夢が膨らむ。彼らが日本のフィールドに立っているだけでワクワクする。

 また存在感抜群の『ビッグ3』は、個人成績だけでなく周囲への好影響も期待できる。優勝争いの行方を左右する外国人選手中心にNPBを楽しむのも悪くない。(※予想成績は通常のシーズン試合数で各打者が500打席以上に立った場合を想定したもの)

(文・山岡則夫)

●プロフィール
山岡則夫/1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌『Ballpark Time!』を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、編集・製作するほか、多くの雑誌、書籍、ホームページ等に寄稿している。Ballpark Time!公式ページ、facebook(Ballpark Time)に取材日記を不定期更新中。現在の肩書きはスポーツスペクテイター。

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