「〇〇行きは1番線乗り場から発車します」
日常的に聞き慣れた鉄道駅のアナウンスだ。一部に例外はあるものの、駅では数字順どおりに乗り場・ホームが並んでいるのが一般的。しかし、なかには数字が飛ばされていたり、「0番線」というちょっと不思議なホームがあるのをご存知だろうか。
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■0番線のつぎは2番線? 京都駅に見る駅番線の摩訶不思議
「0番線物件」の代表格といえそうなのが京都駅だろう。東海道新幹線と東海道本線のほか、山陰本線や近鉄京都線などが乗り入れ、JRだけでも11面18線(在来線9面14線、新幹線2面4線)という大規模な駅だ。順番に並べると在来線は1番線から14番線、新幹線が15番線から18番線となるハズだが、実際には34番線まであり、15番線から29番線がスッポリと欠番状態(新幹線は11~14番線)。しかも、正面玄関にあたる中央改札が面しているホームは0番線で、その隣は2番線。つまり、0があるだけでなく1が抜けているのである。
京都駅に0番線ができたのは、駅ビルを含む大規模な駅改修がきっかけだった。改修に伴い、1992年10月に番線の改定が実施されることになったが、東海道新幹線(JR東海)で使われている11~14番線に影響を及ぼすのを避けるため、11本ある在来線(JR西日本)を10番線までにする必要に迫られたのである。そこで白刃の矢を立てられたのが0番線だった。当初は1~10番線となったのだが、ホームのない線路が1本あることから業務上の番線は0~10番線とされ、旅客案内上の番線との間に差違が発生。2002年に1番線を0番線と改めたのである。では1番線はいずこにというと、0番線と2番線との間にあるホームのない線路がその正体で、業務上の番線と案内上の番線とを一致させるために現在のような姿になったワケだ。
類似の例は東京都の日暮里駅などで見ることができる。日暮里駅はJRが3面6線、京成が3面2線(地上1面1線、高架2面1線)からなり、京成側から順に12番線までのホームがある。ところが、5~8番線はJR通過線のためホームを持っていない。さらに、京成が高架ホーム1面を増設したさいに地上ホームを0番線と改めた結果、0番線と中抜け番線というスタイルになったものだ。