今回も、「レベル4が発令された時は、すでにレベル5を過ぎた状態で氾濫していました」という証言もあった。無駄になってもいいから、常に先へ先へ前もって対策をとるべきだというのが経験上の教訓だ。

 水害では水が引いても、一度水に浸かったものは全て使えず、衛生面でも危険は長びく。

 伊勢湾台風時は半年も水が引かぬところもあり、名古屋港の貯木場から流れ出た木材が家々を押しつぶした。

 それに加えて今回は新型コロナで県をまたいでのボランティアを受け入れるかどうか頭が痛い。被災地の人々だけでは手が足りないが、東京から人を入れるのは慎重にならざるを得ない。何か良い方法がないのか知恵を絞れないものか。

 明日はわが身なのだ。

週刊朝日 2020年7月24日号

下重暁子(しもじゅう・あきこ)/作家。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業後、NHKに入局。民放キャスターを経て、文筆活動に入る。主な著書に『家族という病』『極上の孤独』『年齢は捨てなさい』ほか多数。

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