新型コロナ対策を利用した安倍晋三内閣と日本維新の会の解散総選挙に向けた派手な連携が目に付く。
例えば、菅義偉官房長官は、新型コロナ感染の再拡大を「東京問題」だと言った。実は、菅官房長官は、東京の小池百合子都知事に比べて維新の吉村洋文大阪府知事はよくやっていることを際立たせようとした可能性がある。
吉村知事は、夜の街などの感染拡大対策について、一律の自粛要請ではなく、危険だとわかる店や地域に限定してピンポイントで規制やPCR検査などの対策を講じるという方針を示した。西村康稔経済財政相も幅広い一律の休業要請などは否定しつつ、一定の範囲に限定した休業要請に言及するなど、吉村氏に歩調を合わせている。これには小池知事も敏感に反応し、すぐに限定的休業要請について「ピンポイント」という言葉を使って言及した。安倍政権と吉村知事のタッグに小池知事が対抗する図式である。
さらに、7月15日の吉村・西村会談では、吉村知事が事業者に対して強制力を持つ法律の必要性を訴えると、西村経財相はその場で検討を約束する厚遇だ。
また、前日の14日には安倍総理が吉村知事との面談で、吉村氏の「力強いリーダーシップ」に敬意を表するなどと持ち上げている。
さらに官邸でのぶら下がりに応じた吉村氏は、現状でのGo To キャンペーン「一律実施」に反対を唱えた。政府が東京発着の旅行を対象外とするなどの措置を発表したが、明らかに吉村氏の得点になるようなお膳立てだった。
これら一連の安倍政権と維新の連携は、秋の解散総選挙対策だと考えられる。
大阪では、菅官房長官が松井一郎維新代表に秋の選挙日程を伝えたという噂が流れた。それを裏付けるように、11月1日予定の大阪都構想の住民投票について松井氏は、秋に解散総選挙なら、その日程に合わせて前倒しもあると発言した。巷間囁かれる10月25日投票説よりさらに2週間早い10月11日説が浮上したのもこれと符合する。