現在「オンライン名刺交換」のデファクトスタンダードはない。同社が提供する名刺アプリ「Eight」が提供する方法のひとつは、Web会議などで利用するバーチャル背景にEightの名刺情報が載った「QRコード」を表示するパターン。QRコードをスマホで読み込むと、同社のサービスが立ち上がり、相手の名刺データが取り込まれる仕組み(写真提供:Sansan)
現在「オンライン名刺交換」のデファクトスタンダードはない。同社が提供する名刺アプリ「Eight」が提供する方法のひとつは、Web会議などで利用するバーチャル背景にEightの名刺情報が載った「QRコード」を表示するパターン。QRコードをスマホで読み込むと、同社のサービスが立ち上がり、相手の名刺データが取り込まれる仕組み(写真提供:Sansan)
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QRコードに加え、名前や所属といった名刺情報も入ったバーチャル背景をつくることもできる。また同社のサービスを利用していない人は、相手からURLを発行してもらい、名刺データをスマホやPCの連絡先に登録したり、名刺画像を保存したりすることもできる(写真提供:Sansan)
QRコードに加え、名前や所属といった名刺情報も入ったバーチャル背景をつくることもできる。また同社のサービスを利用していない人は、相手からURLを発行してもらい、名刺データをスマホやPCの連絡先に登録したり、名刺画像を保存したりすることもできる(写真提供:Sansan)

 政府専門家会議が「新しい生活様式」として「オンラインでの名刺交換」を挙げたのは今年5月のこと。経団連も同様の提言を出すなど、誰もが常識だと思っていた「名刺交換」や「商談」がいま、変わりつつある。

【オンライン会議でハズさない服装はこれだ!】

「はじめまして」から「契約締結」まで完結

 IT関連企業Sansanで新規営業を担当する野本佳那さん。営業担当だが、外出したり、客先を訪ねたりすることはない。ホームページ経由で入った問い合わせを受け、オンラインで商談を行い、成約につなげる。

 野本さんが所属する営業チームでは、多い日で1日に6件、月平均で50~60件程度ある商談を、全てオンラインで実施している。サービス開始から2年半で実に1500件もの契約を成立させた。

 オンライン商談でこれまで数多くの成約に導いてきた野本さんは、「オンラインでもサービスの価値は伝えられる」と確信したという。

 実は野本さんが販売するのは、クラウド名刺管理サービス。個人向け名刺アプリで登録した情報を、企業として社員間で共有できるようになる企業向け有料サービスの営業を担当している。もらった名刺をスマホで撮影するだけで、クラウドに相手の企業名やメールアドレスなどの名刺データが保存され、いつでも全ての名刺情報にアクセスできる。QRコードなどを使ってオンライン名刺交換をすると、Web上の自分のアドレス帳に、相手の名刺データが加わるイメージ。この機能を用いることで、オンライン上でも、オフラインの商談と同様に名刺交換ができるという。

 未来の話、と思わないでほしい。5月には専門家会議が「新しい生活様式」として「オンライン名刺交換」を提唱した。また経団連もそれに続いて提言を出すなど、ビジネス界は大きく動いている。「はじめまして」から「契約締結」まで、オンラインだけで完結する商談も増えるだろう。そんな近未来に向けて、準備すべきことを聞いた。

オンライン商談は“40分”で勝負

「商談のフローは、対面もオンラインも同じ」と野本さんが言うとおり、オンラインであっても「営業の基本」は変わらない。

 たとえば野本さんの場合、まず問い合わせが入ると、相手の企業や事業を調べる。また商談前にも、相手は何人参加するのか、参加者はどんな役回りかを確認し、商談のフローをイメージする。ただ、ポイントはその「本気度」にあるかもしれない。

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場所と時間、服装で気をつけること