一方、郊外エリアの買い手は実需層だ。つまり、住むためにそこに家を買う。彼らは自分が住みたいエリアで「少しでも安い物件を」というモチベーションで探している。そういうエリアでは「5%安」作戦で成約しやすくなる。

 成功率を上げるためにも、動くなら「今すぐ」ということになるが、そのために準備するものもある。

 まず、売りたい物件についての資料だ。新築で購入したのなら、その時の図面集とパンフレットがあればベスト。中古なら、購入時のマイソク(チラシ)。次に、権利証。購入時に業者がぶ厚いビニール表紙のクリアファイルに必要書類を入れて渡してくれたはずだ。権利関係にも注意したい。登記された所有者が複数いる場合は、最終的に全員の印鑑証明と署名、押印が必要になる。もちろん、売却への合意が前提だ。あと、リフォームをしていればその時の工事内容が分かるものがあればベターだろう。もしあれば、そのマンションの管理規約や直近の管理組合総会議事録も用意しておけば完璧だ。

 勝負は3カ月から半年くらいではないか。それまでだったら、人気エリアは従来の相場観で、その他のエリアは「5%安」作戦で売り抜けられる可能性が高いはずである。(文=住宅ジャーナリスト・榊淳司)

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