アイドルグループKing&Princeの永瀬廉が、人気漫画を原作とする映画「弱虫ペダル」に主演する。撮影は、新型コロナウイルスの影響による中断期間もあったが、「リアルな部活」のようで青春そのものだった。AERA 2020年8月10日-17日合併号から。
【写真】蜷川実花撮り下ろし!永瀬廉さんが飾ったグラビア表紙はこちら
* * *
映画「弱虫ぺダル」はアニメを愛しママチャリで秋葉原へ通う少年、小野田坂道が、初めてできた仲間とともに自転車競技部でインターハイ出場を目指す青春物語だ。累計2500万部突破の同名の大人気漫画が原作だ。多くのファンを持つ作品の主人公を演じることには、プレッシャーもあった。
永瀬廉(以下、永瀬):作品自体は知っていましたが、読んだことはありませんでした。でも、このお話をいただいて原作漫画を読み始めたら一気にハマりました。ロードレースを知らない人にもわかりやすく説明されていて、キャラクター一人一人の個性も強いから、すごく面白かったんです。なにより「チームで頑張って敵に打ち勝つ」みたいな、王道の少年漫画にハマりました。僕、昔から、熱い漫画が大好きなんです。すっかりファンになりましたね。そしてなおさら、小野田坂道を演じるプレッシャーが増えました。
眉毛の上でパツンと切られた前髪と丸メガネが小野田のトレードマークだ。少しでも小野田に近づくため、永瀬も「ジャニーズに入って、初めてくらい」前髪を短く切った。
永瀬:自分ではわからないのですが、「意外と似てるね」と言ってもらえることも多くて、すごくうれしいです。その姿に慣れるまでは、家で髪を乾かしていても、パッと鏡を見ると「……初めまして」みたいな気持ちになってましたけれど(笑)。
原作の設定は大切にしつつ、三木(康一郎)監督から言われたのは、「原作はあまり意識しないでほしい」ということです。作品を読み込んで、小野田坂道という人物を噛み砕いた上で「『坂道ならこうする』というのを考えながら演じてほしい」と。だから、お芝居してるときは、感情を乗せつつ、どこか俯瞰する自分がいました。このセリフでスイッチが入るから表情が変わっていく、ということは常に考えて演じていました。
特に意識したのは、小野田の成長していく姿をしっかり演じるということだ。