最後はRMが「ゴールドは韓国語でクム。世の中には大切なクムが三つあると言います。黄金(ファングム)、塩(ソグム)、そして、今(チグム)。僕にとってゴールドとは、BTSとARMYが共にしている、まさに今、この瞬間なのです」とビシッと決めて、エンディングを迎えた。

 最後に歌ったのは、「Stay Gold」。BTSとファンの絆を表す紫色の照明がスタジオを照らす。希望とときめきを感じさせる温かなメロディーと、サビを繰り返しながら盛り上がっていくエモーショナルな展開、そして、“金の輝き”を具現化したような伸びやかな歌声。そのすべてが混ざり合って、なんともピースフルな空間を演出している。

 クライマックス、7人のバックに大木が現れた。まるで“生命の木”のような大木に見守られながら、愛を歌う7人。その風景は、まさしく理想郷だった。

「すぐに会いましょう」

 愛の風景は幕が閉じるまでの間、ずっと続いた。J−HOPEは「またすぐに会いましょう」と再会を約束。Vは「ムラサキするよ(「愛しているよ」を意味するBTSとファンの合言葉)」と叫ぶ。

 ライブとファンをこよなく愛するBTS。彼らにとって、ファンと直接会えないオンラインショーケースは、もしかすると、不本意な形だったかもしれない。だが、世界の状況が厳しい中でも、ファンとつながる場を模索し、感動と喜びを届けてくれた。50分という短い“再会”だが、7人にとっても、ファンにとっても、その時間は、きっと“ゴールドな時”そのものだったに違いない。(ライター・酒井美絵子)

AERA 2020年8月24日号

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