監督 フィリップ・ヴァン・レウ/22日から岩波ホールほか全国順次公開/86分 (c)Altitude100 - Liaison Cinematographique - Minds Meet - Ne a Beyrouth Films
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監督 フィリップ・ヴァン・レウ/22日から岩波ホールほか全国順次公開/86分 (c)Altitude100 - Liaison Cinematographique - Minds Meet - Ne a Beyrouth Films
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 映画「シリアにて」は、戦地の今を伝える緊迫のドラマだ。主役のオームを務めるのは、ヒアム・アッバス。「シリアの花嫁」「ガザの美容室」や、スピルバーグの「ミュンヘン」、世界的に大ヒットした「ブレードランナー 2049」など、中東映画からアメリカ映画まで幅広く活躍する名女優だ。

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 シリアの首都ダマスカス。いまだ内戦の終息は見えず、アサド政権と反体制派、そしてISの対立が続いていた。そんな中、戦地に赴いた夫の留守を預かるオーム(ヒアム・アッバス)は、自らが住むアパートの一室をシェルターにして、家族と幼子を持つ隣人のハリマ(ディアマンド・アブ・アブード)の一家を市街戦の脅威から守り、なんとか生活を続けていた。一歩外に出ればスナイパーに狙われ、爆撃が建物を振動させ、さらに強盗が押し入ろうとする。いつまで持ちこたえられるかわからない日々。

 ある日、ハリマの夫がレバノンへの脱出ルートを見つけ、今夜こそ逃げようと、ハリマに計画を打ち明け、彼はアパートを出ていくが……。

 本作に対する映画評論家らの意見は?(★4つで満点)

■渡辺祥子(映画評論家)
評価:★★★★
絶え間ない銃撃、スナイパーの狙撃、強奪者に怯える日常。そこで命と我が子を守るのが最優先の母の非情の選択の地獄。それでも人は生きて人生は続く。この苦悩と痛みを正しく、率直に伝えていることがよくわかる力強い映画。

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