子供たちは直接的にはわからなくても、その強いメッセージに本能的に惹きつけられました。アンパンマンの絵本は、全国の子供たちが何度も読みたがり、人気になり、アニメ化され、現在では幼児向けコンテンツのスタンダードといえる存在になりました。ディズニーやジブリの作品に多くの人が惹きつけられるのも、根本にある哲学のメッセージが強烈だからです。子供向けだからといって、哲学を盛り込まなければ、薄っぺらく、子供の心に訴える部分が少ないコンテンツになります。
必ずしも重いテーマやしっかりしたポリシーでなければならないわけではなく、「くだらなすぎて死ぬのがバカバカしくなる動画を作る」という哲学でも一本筋が通っているチャンネルはコンテンツがぶれないので強いです。コンテンツを通して受け手に何を伝えたいのか、受け手に何を共感させるのか、どんな影響を与えたいのか、というテーマが重要です。
残念ながらYouTubeだけを見ている人は、YouTubeでヒットを作れません。これは、アニメだけを見ている人がアニメを作れないのと同じです。コンテンツの核になる哲学や価値観が育たないからです。良いコンテンツを作るには、人生の経験や価値観や新しい視点が必要です。幅広い知識や見識があれば、作品に深みがでます。強い好奇心と、関心を持って行動した人は、面白い作品を作ります。
動画でも音楽でも絵画でも、何かを制作する際は、自分なりの哲学やポリシーや作品のテーマについて考える必要があります。小手先の技術や知識ではなく、核になるポリシーを持っていることが重要です。それが、クリエイターという存在の本質だと思います。