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安倍晋三首相が辞任の意向を固めて28日、首相官邸で会見を開いた。その様子を全文掲載する。
>>『安倍首相辞任会見【全文(4)】コロナ対応「最善を尽くしてきた」』からつづく
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――今回の辞任という決断にいたるまでに、「総理にはもう少し休んでほしい」という周囲の心配する声もあった。こうなる前に、「しっかり休んでおけばよかった」といった後悔はあるか。
安倍首相:自分自身の健康管理も総理大臣の責任だろうと思います。それが私自身、十分にできなかったという反省はあります。同時に、まさに見えない敵と悪戦苦闘するなかにおいて、全力を尽くさなければいけないという気持ちのなかで仕事をしてきたつもりでございます。ただ、やはり一国のリーダーとしては、しっかりとそうした健康管理もしなくてはならないなというのは痛感しているところであります。
――憲法改正が実現できなかった。実現に至らなかった理由と、今後、実現が可能なのかどうか、どうお考えか。
安倍首相:憲法改正については、まずは党において4項目に絞り込んだ改正案のイメージを、党で決定することはできたと思います。ただ、残念ながらまだ国民的な世論が十分に盛り上がらなかったのは事実であり、それなしには進めることはできないのだろうというのを改めて痛感しているところでございます。しかし、それぞれの国会議員のみなさんも、国会でお互いに案をぶつけあって議論をしなければ、国民的な議論は広がらないわけでありまして、国会議員としてその責を果たすように、私も一議員としてこれから頑張っていきたいと思います。
――一次政権での退陣のときは「投げ出しだ」という批判もあった。今回の退陣は、一次政権の際とは違った身の引き方ができたとお考えか。
安倍首相:任期途中での辞任ですからさまざまなご批判があるのは当然だろうと。甘んじて受け入れなければならないと思っております。ただ今回、なんとかコロナ対策に空白を生まないように、ということを腐心をしてまいりました。そこで拡大傾向から減少傾向に転じたとき、さらには秋から冬に向けて、インフルエンザの流行に向けて、対策を取りまとめることができて、その実施も目途が立ったときを選んだわけでありますが、前回はまさに内閣の改造をおこなって、国会の召集をおこない、所信表明をしたあとの辞任ということであったわけですが、今回は人事、そして国会の前に私は判断をしなければならない。ですから、ずっとそのことを悩みに悩んだわけでありますが、「もう少しできないか」という葛藤がなかったわけではないのですが、しかし万が一にも同じことをしてはならないという判断をしたわけであります。