「現在の巨人は若手育成も進み始めており、以前のように他球団からかき集める補強はしないと見られていた。しかしここにきて鈴木の周辺状況が大きく変化している。鈴木クラスの選手なら大枚を叩く価値はある。ファン、関係者も納得するはず」
「メジャー挑戦するにしても、お世話になった広島を日本一にしてから。しかしメジャー挑戦もコロナ禍でできない。広島も再び低迷し始めて勝てない。そうなってくれば悩みますよね。野球人としては引退までに一回でも多く頂点に立ちたい。可能性があるとすれば巨人とソフトバンクが筆頭。生まれ育った東京には家族や友人もいる。現役晩年を地元・巨人で過ごしたいと考えてもおかしくない。また奥さんが芸能活動を続ける場合にも都合が良い」
東京都荒川区出身の鈴木は、なんだかんだ巨人への思いはあると続ける。
「鈴木本人の広島愛は強い。国内の場合は広島残留が最有力なのは間違いない」
広島残留のための決め手はファンの熱い思いだ、と語るのは広島担当記者。
「鈴木は広島ファンに大きな恩義を感じている。東京出身の自分を家族同然に受け入れて応援してくれた。広島だったからここまでこれた、と本気で思っている。義理人情に厚い男なのでファンが残留を強く望めば、赤いユニフォームのまま選手生活をまっとうするのではと見ている」
かつてファンの声に動かされた黒田博樹が、世界一のヤンキースから広島へ復帰した。鈴木にも同じ雰囲気があるという。
「鈴木はメジャーでも絶対通用する。そのために本人も準備を進めていた。こんな時期(コロナ禍)でなかったら良かったのだが……」
メジャーリーグアジア地区担当スカウトが残念がるように、メジャー移籍は今のタイミングでは厳しいのかもしれない。
ポスティングシステムでのメジャー移籍も噂される鈴木だが、順調にいけば国内FAを取得するのは2022年。赤かオレンジか?それとも……。
巨人独走体制で話題も少なくなりつつあるセ・リーグだが、日本を代表するスラッガーの去就問題がいよいよ本格化する。