普通の日であれば、何ら問題はなかったろう。だが、この日は民主党にとって「特別な日」だった。
宴が始まらんとするころ、国会にほど近い憲政記念館では、参院選の大敗を総括する、民主党の両院議員総会の真っ最中。祝宴ムードとは無縁の、殺気だったセンセイたちの怒声が飛び交っていたのだ。
政治評論家の森田実氏はこう憤る。
「両院議員総会は党大会に次ぐ議決機関であり、『党の国会』と言っていい。まして、いま民主党は与党です。それを、政治の本筋と何ら関係のない行事への出席を理由に欠席するなど、あってはならない。あまりに無責任な話です」
午後4時半から始まった総会は2時間あまり続き、菅直人首相や党執行部への厳しい批判が相次いだ。
「披露宴は午後5時半から9時過ぎまでだったから、総会が終わってからでも、十分間に合ったはずなのにねえ」(出席者のひとり)
前原氏は、翌30日の会見で、
「冠婚葬祭は人生において極めて重要なセレモニー。社会通念としてどちらを優先するかは政治家の判断。批判は甘んじて受ける」
と開き直った。反省の色はないようだ。
それほどに前原氏にとって「エビマオ」は重要だったわけだが、出席者によると、錚々たる列席者のなかで前原氏の影は薄かった。
「スピーチもなく、まったく目立ってなかった。小泉さんや森喜朗元首相と一緒に鏡開きをし、すっかり自民党になじんでいましたけどね(笑い)」
存在感もなければ、緊張感もなかったようだ。
「民主党代表の経験がある前原氏は、岡田克也外相らと並ぶ次期首相の有力候補でした。しかし、こんな軽率な行動をとるのであれば、首相の資格がないのはもちろん、議員辞職すべきだとすら思います」(森田氏)
ポスト菅の目はやっぱり「ZERO」か。(本誌取材班)
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