遠出がはばかられる今。特に東京都民は息を殺すように暮らしてきた。でも足もとに目を向ければ、東京には贅沢で素敵なホテルがいくつもある。都民が東京を独占できる今こそ、束の間の非日常を味わうチャンスだ。都内のおススメホテルを紹介した、AERA 2020年9月21日号の記事を掲載する。
【写真特集】気軽に「非日常」感を味わえる都内の贅沢ホテルをご紹介!
* * *
少しでもコロナ禍のことを忘れてリラックスできる時間がほしい。そんな人におすすめなのが、気軽に「非日常」感を味わえるホテルだ。
今こそ行くべき東京のホテルを教えてくれたのは、ホテルジャーナリストのせきねきょうこさん。環境やエコ、癒やしをテーマに27年間国内外のホテルを取材し、「新・東京ホテル物語」など多くの雑誌・ウェブ連載を持つ。スイスの四つ星ホテルに住んでしまったことがあるほど、ホテルを愛してやまない人だ。
■無限に広がる空と水面
せきねさんが最初に挙げたのは、今年6月に立川市にオープンした「SORANO HOTEL」。新宿から電車で約30分の場所にある郊外型のリゾートホテルで、航空機メーカーの立川飛行機を前身とする立飛ホールディングスが運営する。
コンセプトは、心身の健やかさを目指す「ウェルビーイング」。最上階には水面と空が一体化したように見える全長60メートルの温泉プールがあり、スパ施設が充実。すでに2度も宿泊したというせきねさんは言う。
「コロナ前から、世界のホテルの潮流は健康志向や自然回帰。ここは食事も発酵食や国産の無農薬を中心に『適地適作』をうたっている。都市機能と自然環境がちょうど中和する位置にあって、東京にいながら自然を感じ、大人の人がリラックスできる場所。こういうホテルが日本にもようやく出てきたのね、という思いです」
部屋はすべて隣接する国営昭和記念公園に面したバルコニー付きで、広い窓からは時間とともに移り変わる空や山並みが見える。同社マーケティング担当者のおすすめの過ごし方は「何もしないこと」だそう。