でも、大人になるにつれて、そういった神通力みたいなものが少しずつなくなってくるだろうなって勝手に思っていたんだけど、彼女たちは違った。年齢を重ねるにつれて、逆に輝きが増していたんだよね。これにはボクもビックリ。
彼女たちがトリで一体どんなパフォーマンスを見せてくれるのかもすごく楽しみだったし、何よりアイドルイベントに新しい風を吹かせたいって思いもあったから、ここだけは絶対に譲れなかった。
ボクは「クロフェス」を10年は続けたいって思っている。
今回、無観客だったからこそ、2回目、3回目にお客さんを入れて開催できた時に「やっぱりライブっていいな」ってさらに感じることができると思うし、イベントとしての歴史の厚みにもなる。
「クロフェス」がもっともっと人気のイベントになって、いつか武道館とかでやれたら最高だね。
●「豆柴の大群」へのこだわり
アイドル関連の仕事は、純粋にすごく楽しい。特にプロデュースするのはね。
ボクは、「豆柴の大群」っていうアイドルのアドバイザー(かつてはプロデューサー)もしているんだけど、歌詞や衣装を考えるのもすごくやりがいがある。
楽曲では、これまで5曲の歌詞を担当したんだ。歌詞は、彼女たちの活動をみていて、気になったことなんかをメモしながら、最後にまとめていくって感じ。歌やダンスのレッスンを頑張っている姿もそうだし、メンバーがふと漏らした一言とか、いろんなことを思い出しながらね。デビュー曲「りスタート」の「だから無駄じゃないよ 経験したすべて」っていう歌詞も、そんなことが反映されていたりする。1曲完成するまで、毎回めちゃくちゃ膨大な量を書いているんだ。
メンバーのナオ(ナオ・オブ・ナオ)に「『スキップしながら唾かけて』っていう歌詞は、どんな気持ちで歌ったらいいんですか?」ってレコーディング中に質問されたから、「ボクは(唾を)かけられるほうだけど、ナオはかける方?かけられる方?」って返したら、絶句してた(笑)。