あと、衣装では、腕を上げた時に、おへそがチラッと見えるっていうのもポイントだった。チラリズムだよね。普段は見えなくていいんだ。ボクはアイドルにエロを求めてないからね。あざとく出し過ぎちゃうと、だったらグラビアアイドルでいいじゃんってなるし。肌を出すのは夏曲限定!
●アイドルはセミと一緒
ボクがアイドルのプロデュースで最も大切にしていることは、「成長過程」が見えるようなアイドルにすること。最初から完成された子よりも「今はダメだけどこれから伸びていくな」っていう子のほうが絶対ファンは楽しめる。
「モノマネでもやっているの?」「のど自慢のつもり?」みたいなところからスタートして、少しずつ成長していく姿に、みんな感動するんだよね。たぶん、これって日本のアイドルの特徴じゃないかな。
「豆柴の大群」でも同じ。メンバーのカエデ(カエデフェニックス)がダンスや歌が下手だって言われたりすることもあるんだけど、だからこそじゃん!って思う。そんなこと言われながらも、頑張る姿に胸を打たれる。最近ではダンスうまくなったっていう声を出始めているしね。
これから先、まだどんどん上手くなっていって、最終的に「今ではカエデがいちばんダンスが上手い」とかって言われ始めたら、もうボクは涙が出るくらいうれしい。
もちろん、はじめから完成していることに越したことはないけど、「成長過程」がすべてつながって、年表みたいになったほうが面白いでしょ? もうそうなったら、その子の歴史を好きになっちゃってるしね。
女性アイドルって、男性アイドルと違って、息が長いわけじゃない。基本的には20歳くらいになると卒業を考えたりする子が多いからこそ、一瞬一瞬の成長やきらめきを見るのが楽しいし、面白い。
アイドルって、どこかセミと似ている。セミも地上で輝ける時間なんて一瞬でしょ? だったら、その1週間全部見てあげないと損だよ。
セミみたいに一瞬も目が離せないアイドルっていうのがボクの理想かもしれないね。
いつか「豆柴の大群」も「クロフェス」でトリをつとめられるような存在になってほしいな。
そうなったら、きっとボクは泣いちゃうしん。
(構成/AERA dot.編集部・岡本直也)