日本のデジタル化推進を目玉政策に掲げる菅義偉首相が今後も力を入れていくと思われる分野の一つが、官房長官時代から力を入れていたキャッシュレス化。2年前には太宰府天満宮で、名物「梅ケ枝餅」をキャッシュレスで購入する“パフォーマンス”も見せたことがある。
AIが予測!キャッシュレスの普及で業績が上がる会社トップ20
経産省では2025年までにキャッシュレスでの決済割合を40%、将来的には80%にまで引き上げる目標を掲げている。経産省幹部も「菅さんはやる気だ」と見る。
現金支払いが主流の中、キャッシュレス化に関連する事業者からすれば、垂涎の的の市場。各企業が事業拡大に力を入れている。
そこで本誌ではAIで企業の将来の業績を予測するベンチャー企業ゼノデータ・ラボの協力を得て、キャッシュレス化が進む中で業績を上げる企業を予測したランキングを作成した(表)。同社では、経済イベントの影響の度合いを分析したデータベースや、全上場企業の有価証券報告書などの開示資料をもとに、分析を行っている。業績への影響度はマイナス100からプラス100までの数値でスコア化している。
ランキング上位を見ると、「メルペイ」を運営するメルカリ(3位)や、「au PAY」のKDDI(11位)、「d払い」のNTTドコモ(14位)、「楽天ペイ」「楽天Edy」の楽天(16位)など、比較的有名なモバイル決済サービスを提供する企業が上位に並ぶ。その中でも優位に立っていると見られるのが、1位のZホールディングス(ZHD、旧ヤフー)だ。
同社は傘下にスマホによる電子決済サービス「PayPay」を提供する会社を持つ。100億円を利用者に還元するなど話題を呼ぶキャンペーンを実施し、知名度が一気に向上。利用者拡大に成功している。
PayPayの強みの一つは、利用できる店舗が多い点だ。全国に拠点があり、利用店舗拡大に積極的に取り組んでいる。また、アプリ内で食事宅配サービスの「ウーバーイーツ」や、オンラインショッピングができる「PayPayモール」など多様なサービスと連携しており、利便性が高い特徴がある。