「前回も激戦州はヒラリー・クリントン氏が優勢でしたが、投票11日前に連邦捜査局(FBI)が私用メール問題でヒラリー氏を捜査すると発表し、トランプ逆転のきっかけの一つとなりました」
トランプ氏は、どんな手段を使っても選挙に勝たなければならない理由もある。春名氏は続ける。
「マンハッタン地検はトランプ氏の事業について納税記録の提出を求めていますが、トランプ氏は拒否している。ほかにも時効になっていない疑惑が複数あり、落選すれば司法当局が捜査に入る可能性があります」
捜査機関の介入を警戒するトランプ氏は郵便投票が不正につながるとして選挙結果に従わないことも示唆。その場合、「大統領選挙は連邦最高裁判所で争われることになる」とも公言している。
「トランプ氏は最高裁で新たに保守派の判事1人を指名した。最高裁判事は保守派が多数を占め、選挙結果が裁判になれば民主党に不利になる可能性がある。それを避けるには、バイデン氏は圧倒的な票差で勝利しなければなりません」(春名氏)
さて結末はどうなるか。(本誌・西岡千史)
※週刊朝日 2020年11月6日号