「R-1ぐらんぷり」2020年のファイナリストたち(C)朝日新聞社
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2020年の優勝者はマヂカルラブリー野田クリスタル(C)朝日新聞社
2020年の優勝者はマヂカルラブリー野田クリスタル(C)朝日新聞社

 11月25日に東京・ヨシモト∞ホールで行われた記者会見にて、ピン芸日本一を決める大会『R-1グランプリ2021』が開催されることが発表された。

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 2002年に始まった『R-1ぐらんぷり』は、2020年まで毎年行われてきた。来年春に決勝が行われる今大会から、大会名を『R-1グランプリ』と片仮名表記に改めることになった。

 また、出場資格が変更されることになった。これまでは芸歴不問だったのだが、今大会から芸歴10年以内という制限が加わった。この出場資格の変更にはどういう意図があるのか。そして、これによって『R-1』はどう変わるのだろうか。

 運営側の意図としては、この大会を通して若い世代の新しいスターを発掘したいということがあるのだろう。最近のお笑い界では、第七世代と呼ばれる20代中心の若い芸人たちが活躍している。そのきっかけの1つになったのは、彼らがお笑いコンテストで結果を出してきたことだ。

 2018年には『キングオブコント』でハナコが、『M-1グランプリ』で霜降り明星がそれぞれ優勝した。2019年には『女芸人No.1決定戦 THE W』で3時のヒロインが優勝した。彼らはその実績を引っさげて、数々のバラエティ番組に出て、第七世代ブームを盛り上げる役割を果たした。

 しかし、ここ数年の『R-1』からは、そのような若いスターがほとんど出てきていない。優勝者の大半は芸歴10年以上の中堅芸人である。近年の優勝者で芸歴10年以内だったのは濱田祐太郎と霜降り明星の粗品の2人のみだ。

 2018年に優勝した濱田はその時点で20代だったが、その後も大阪を拠点に活動していたため、全国区でのブレークにはつながらなかった。2019年に優勝した粗品は、前年にコンビとして『M-1』で優勝していたため、『R-1』から出てきたという印象は薄かった。

『R-1』は全国ネットで放送される大規模なお笑いコンテストでありながら、若手のスターを発掘するという点では、ほかの大会に出遅れていた。そこを改善したいというのが運営側の狙いだろう。

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中堅芸人は軒並み出場資格を失うことに