今年7月に行われたヨガの授業。講師はオンラインで指導した(写真/古河市立総和南中学校提供)
今年7月に行われたヨガの授業。講師はオンラインで指導した(写真/古河市立総和南中学校提供)
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2019年10月のヨガ体験で、「木のポーズ」に挑戦する生徒たち(写真/古河市立総和南中学校提供)
2019年10月のヨガ体験で、「木のポーズ」に挑戦する生徒たち(写真/古河市立総和南中学校提供)

 ホットヨガスタジオの「LAVA」など、専用スタジオの数も急増し、ここ数年で日本人のフィットネスの選択肢として定着してきたヨガ。このヨガを、小・中学校の教育に取り入れようとする動きがある。ヨガに取り組むことで、子どもたちにどんな効果があるのか。コロナ禍での体育の授業にヨガを取り入れている、茨城県古河市立総和南中学校を取材した。

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 JR古河駅から車で20分ほどのところにある、古河市立総和南中学校。同校ではコロナによる休校が明けた今年6月から、体育の授業にヨガを取り入れている。体育館で行う授業の終盤に、整理運動代わりにヨガに取り組む。

 同校の森田泰司校長はこう話す。

「ヨガは一人ひとりがその場で静かに取り組みますから、接触や飛沫による感染のリスクが少なく、コロナ禍の体育にはうってつけです。ヨガのポーズにはストレッチ効果があってケガの防止にも役立ちます。ゆったりと呼吸を整えながら自分自身と向き合うことで、授業で球技等を行って興奮した気持ちを、次の授業に向けて落ち着かせることにもつながっています」

 コロナによる休校中には、5分程度で取り組めるヨガ動画を学校HPで配信したり、体育の教員がZoomを利用して、家庭でもできるヨガを生徒たちに指導したりしていたという。

「ヨガは動画を見ながらひとりでもできるので、休校中でも取り組みやすいというのも長所の一つでした」(森田校長)

 同校でヨガを始めるきっかけになったのは、森田校長自身が数年前に知人の紹介でヨガを始め、その効果を実感したことだった。

「自分が始めるまでは『ヨガ』というと、『若い女性がする運動』『体が硬い人には無理』という先入観がありました。しかし実際に自分でやってみたら、呼吸が整って気持ちが落ち着くし、ポーズをとることで姿勢もよくなった。私のようなおじさんでもできましたしね(笑)。これは子どもたちに取り組ませたら、きっといい効果があるに違いないと確信しました」

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