先日、仕事で福島県を訪れたという作家の室井佑月氏。放射能の線量計を持っていたという室井氏は、車の窓を開けた時のエピソードを次のように話す。

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 テレビの仕事で福島へいった。新幹線で郡山に着き、その後、会津へ。

 郡山駅の前には、デジタルのでかい線量計が建てられていた。そこには「0.26マイクロシーベルト」と表示されていた。2年前、郡山に住んでいる方に依頼され、この地を測ったときは、驚くほど線量が高かった。

(よかった、下がってる)とほっとしたのもつかの間。車に乗りちょっと窓を開けたら、あたしの持っている線量計は0.6マイクロシーベルトを超えてしまった。車内の線量がもともと高かったわけではない。窓を開ける前は0.09と低かったのだ。

 毎時0.6マイクロシーベルトといえば、放射線管理区域に指定される地区となる。放射線業務従事者の管理下でないと入れない場所だ。

 先週、読んだ写真週刊誌のフライデーの記事を思い出した。「独自調査で判明 子供たちに甲状腺異常続出の遠因か!? 福島の放射線は『国の測定数値』の2倍だった」という見出しの。編集部が測った数値と国が公表している数値の違いがずらりと並べられていた。

 窓を開けただけで0.6 マイクロシーベルトまで数値が上がった郡山では、未だところどころにホットスポットといわれる場所があるのかもしれない。

週刊朝日 2013年3月22日号