俺より年上の人たちと“大人の観るテレビがない”と話していました。結局、NHKのドキュメンタリーとかを見るしか選択肢がなくなってしまうんだけど、民放で昔の「今夜は最高!」だとか「11PM」とか大人が見て面白い番組がない。子どもが見ても内容や面白さが理解はできないんだけど、子どもが背伸びしてでも見たくなるようなものがないなって。そうすると、NHKのドキュメンタリーかBS放送のきれいな映像や旅番組くらいしか観る番組がない。

 テレビって、2020年の1年間もそうだけど、若者へのシフトになってきて、ここでポイントとなるのは、子どもが背伸びして観る番組もないといけないんじゃないかなと思った。子どもが背伸びして観る番組が今ひとつもない。逆に言うと、子どもに背伸びさせない。子どものわかりやすい番組とか、若者文化に寄ったものとか作っていて、オジサンたちが“この子出しておけば結局数字取れんだろう”ってTicTokerの有名な子を連れてきてみたいなことをしている。そのオジサンは全く興味もないし、知りもしないという(笑)。そんなことばかりで、番組の作り手が出したいキャスティングができていないというのはありますよね。子どもに背伸びさせて、のぞき見させるような番組がなくなったから、そこがつまらなくなったんじゃないか。結局、それは大人のバラエティ番組がなくなったということですよね。

 大人が見る番組でコロナのことを語ろうぜでも、政権のことを話そうでも何でもいいんだけど、大人のバラエティ番組というカテゴリーがないから、情報番組や報道番組になってしまう。そうじゃなくて、文化人とか芸人とかなんでもいいんだけどタバコ吸いながら酒飲みながら語っている番組があったっていいんじゃないか? 画面でタバコ吸ってはいけないとか酒を飲んではいけないとか、日常を切り取ることを中止にしているのは2020年も多くなったという気がしますよね。あれもダメ、これはまずいって排除してばかりで真実を伝えていないというか、ウソのような番組ばかりになっていきますよね。テレビ番組って、愛なんですよ、愛。ひどいことやっても救いがあれば。

■カンニング竹山/1971年、福岡県生まれ。お笑い芸人。2004年にお笑いコンビ「カンニング」として初めて全国放送のお笑い番組に出演。「キレ芸」でブレイクし、その後は役者としても活躍。現在は全国放送のワイドショーでも週3本のレギュラーを持つ。オンラインサロン「竹山報道局」は、ネットでCAMPFIRE を検索→CAMPFIREページ内でカンニング竹山を検索→カンニング竹山オンラインサロン限定番組竹山報道局から会員登録

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