――どうして、女性に対して理解のない人が多い自民党にいたいと思うんですか?
稲田:自民党がやっぱり好きなんです。自民党は歴史が長くて、立党の精神を見ると良いことを言っています。あと、国民政党として、いろいろな人の意見を聞いて、決めるときは決めるという政党なので。だから、自民党の本来のよさは、地域社会とか家族とか国を大切にすることと、多様性を認めて右から左まで包容力のある政党だということです。いまも本質的には変わらないと思います。
■日報問題は「本当に知らなかった」
――稲田さんは2017年、南スーダンPKOの日報問題を巡って防衛大臣を辞任されました。あれは結局何が問題だったんですか?
稲田:私は南スーダンに行って日報を見ているので、あんなに分厚いものを捨てるかなと思ったんです。探せばあるんじゃないかと。安全保障上、問題のあるところを黒塗りにして出せばいいんだからと言っていたら、結局後で出てきたんですよ。出てきたんですけど、それがどこから出てくるかとか、出てきてから私に対しての報告がすごく遅かったということがあったんです。
――稲田さんが虚偽答弁じゃないとすれば、本当に知らなかったということですよね。うそをつかれていたということですか?
稲田:うそをつかれていたというか、時間がかかったということです。それが出てきた後に、どこにあったかということがすごく問題になりました。今思えば、コミュニケーション不足から来ている問題でした。制服組(自衛官)と背広組(事務方の防衛官僚)との間の意思疎通が非常によろしくないとか、陸海空(陸上自衛隊・海上自衛隊・航空自衛隊)の間で全然空気も違うとか、今なら分かります。「そんなこと、話し合いさえすればうまく対処できたのにどうして?」ということがたくさんありました。
――稲田さんにわざと報告を上げなかったというわけではないですか?
稲田:そういう悪意があったわけではないと思います。いろんなことを考えてやったんじゃなくて、もう少し原因は単純だったと思います。4万人の隊員がメールで見られる状況だったんですから、どこかにはありますよね。