歌舞伎町2丁目のホストクラブ街。未明でも客足は絶えない/撮影=高鍬真之
歌舞伎町2丁目のホストクラブ街。未明でも客足は絶えない/撮影=高鍬真之
歌舞伎町の旧コマ劇裏手で暴れていた男性を取り押さえる警官=撮影/高鍬真之
歌舞伎町の旧コマ劇裏手で暴れていた男性を取り押さえる警官=撮影/高鍬真之

 新型コロナウイルスの感染拡大で1月8日に緊急事態宣言が発出された東京。昨年に宣言が出た後は、どこの街からも人が消えていたが、今回はコロナ慣れもあってか、前回ほど人の波が消えていない。ならば、日本一の繁華街・歌舞伎町はどんな状況になっているのか気になり、高性能マスクを装着、手袋は2枚重ねにして訪れてみた。

【写真】ホストクラブ街は盛況?1月の様子はこちら

 緊急事態宣言後の3連休の最終日「成人の日」の日付が変わった12日午前0時半過ぎ。新宿駅東口を出ると、北風が突き刺すように冷たく、人通りもそれほどなく閑散としていた。

 だが、数百メートル歩いて歌舞伎町に入ると様相は一変。ネオンがこうこうと光り、人も多い。闊歩(かっぽ)しているのは、男女ともに20代と見られる若者が大半。

 大手チェーンの飲食店こそシャッターを下ろしているが、看板に明かりをともしている飲食店も少なくなかった。中には、明かりを消しながらひそかに営業している店もあるようだ。24時間や早朝までの営業を売りにする店は、店頭に「20時以降5時まではテイクアウトのみ」と告知しながら店を開けている。歌舞伎町は緊急事態宣言後も24時間眠らないのである。

  0時45分。新宿東宝劇場(旧コマ劇場)の裏、花道通り沿いで何やら騒ぎが起きているのが見えた。近づくと3人の警官が一人の若い男性を歩道に腹ばいにさせて押さえつけ、さらに3人の警官が立っていた。男性は意味不明のことを大声でわめいており、騒ぎを耳にしたやじ馬や、駆けつける警官も増えてきた。 

 数分後、3台のパトカーがサイレンとともに到着。現場の警官はざっと20人を超えた。近くのビルの外階段踊り場から現場を眺めると、やじ馬の中にはマスクをしていない人が複数いた。「無防備すぎる」と思わずつぶやいてしまった。

 記者が現場にいた十数分だけでもマスクをしていなかったり、あごの下に下ろしたりの「ノーマスク」の人は10人以上いた。 3連休前には全国的に感染者が激増し、都内では7日に2447人を記録。緊急事態宣言が出たのにもかかわらずノーマスクというのは、コロナ慣れのせいなのだろうか。  

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午前1時以降は“闇”営業