1月17日に除染の現場を視察する伸晃氏(右) (c)朝日新聞社 @@写禁
1月17日に除染の現場を視察する伸晃氏(右) (c)朝日新聞社 @@写禁
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 自民党総裁選で議員票を最も多く集めたのも今は昔、石原家の長男・伸晃環境相(55)の影が、すっかり薄くなっている。そんな伸晃氏が「唯一、注目を集めている」(野党国対関係者)のが、1月4日に朝日新聞がスクープした福島第一原発周辺の「手抜き除染」問題。

 監督官庁の環境省を揺るがす大問題となったのだが、その当日、大臣の伸晃氏はいっさい登庁せず、「行方知れず」だったのだ。当然のことながら、マスコミや野党議員から当日の行動を追及されたが、頑なに詳細を答えようとしない。いったい彼はその日、何をしていたのか――。

 1月4日、伸晃氏の姿は国会答弁どおり、都内から「1時間以内」の神奈川県某所で目撃されていた。「あの日、ゴルフ場のクラブハウスでラウンドに行こうと準備していたら、友人が『いま伸晃さんがいた』と言うから、『へえ』という話になったんですよ。向こうもこれからゴルフなんだな、と思いました。午前9時40分ごろのことです」(ゴルフ場の利用者)。

 このゴルフ場は、逗子市の横浜横須賀道路・逗子インターから車で10分ほどのところにあり、都内から1時間程度という利便性が売りだ。小高い丘の上にあり、富士山を望み、眼下には江の島や相模湾が見渡せる。「36ホールあって、立地もいい。眺望も抜群。50年前にオープンした老舗だけど、値段もそこそこで人気があります」(地元住民)。

 ゴルフ場での様子については、ほかの証言者もいた。「伸晃氏は大のヨット好きで、葉山ヨットクラブの会長を務めています。その日は、ヨット仲間との新年ゴルフコンペだったんです。身内の新年会のようなもので、案内状も作ってました。彼らは体育会系で結束が固く、石原系の選挙があるたびに、湘南ナンバーで駆けつける実動部隊。ゴルフ後には宴会もあって、伸晃氏は政権奪還と自身の入閣に超ごきげんで、気持ちよく酔っ払っていたそうです」(地元関係者)。

 真相を聞こうと事務所に問い合わせたが、「国会答弁等で、再三お答えしてきたところであり、ご指摘のような事実はありません」と「ゴルフ」も「宴会」も全否定した。となると、目撃証言はいったい……。

週刊朝日 2013年4月5日号