※写真はイメージです (GettyImages)
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座りすぎの時間と死亡リスク (週刊朝日2021年2月5日号より)
座りすぎの時間と死亡リスク (週刊朝日2021年2月5日号より)

 コロナ禍だから、健康維持のため、免疫力を上げるため、感染予防のため、とさまざまな取り組みをしている人も多いだろう。しかし、気をつけてほしい。体によいと思っていた行動が、実は寿命を縮めている危険性がある。

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■寿命を縮める習慣(1)冬の午前中のウォーキング

 運動はダイエットに効果的なだけでなく、病気にかかるリスクを下げ、免疫力を高める重要な生活習慣の一つ。運動をしないことは健康を損ねる大きな原因となり、厚労省によると、毎年、運動不足が原因で約5万人が死亡しているという。

「ですが、正しいやり方をわかっていないと、かえって寿命を縮めてしまいかねない。要注意です」と話すのは、呼吸器内科医で池袋大谷クリニック院長の大谷義夫さん。

 まず、激しい運動はかえって免疫力を下げてしまうことがわかっている。個人差もあるので、どのレベルが激しい運動にあたるかは一律には示しにくいが、厚労省の「健康づくりのための身体活動基準2013」では、64歳までは息が弾み汗をかく程度の運動を毎週60分ぐらい行うことを推奨している。自分の体力や筋力に合った運動を心がけたい。

 もう一つ大事なのは、運動をする時間帯だ。早朝にラジオ体操やウォーキングをして体を動かせばすがすがしい気分になるが、一方で負荷が強すぎると突然死の危険も伴う。なぜなら、朝8時~正午に脳卒中が発生する頻度が高いことがわかっているからだ。

「朝は動いていなくても交感神経が活性化されて血圧が上昇します。運動すればなおさら血圧が上がってしまう可能性があります。特に血圧が気になる方は午前中の運動は控えたほうがよく、もし運動をするとしたら(ストレッチなどの)準備運動を念入りに行ってください」(大谷さん)

■寿命を縮める習慣(2)もの忘れがある人の晩酌

 お酒は“適度な量であれば百薬の長”といわれる。だが、もの忘れがひどくて医療機関を受診したほうがいいかも……と思うぐらいの人にとっては、どんなに少量でも毎晩の晩酌は脳の健康によくないようだ。

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