では、ツアー側も認めた処置なのに、なぜリードには外野からツッコミが入るのか?そこには過去のリードにも原因があると言わざるを得ないだろう。

 まず直近は、2019年のヒーロー・ワールドチャレンジ。3日目11番でウエストエリアに打ち込んだリードは、2度素振りしショットするとこのホールをボギーでホールアウト。ところが、この時の映像を後で振り返ると、どちらの素振りでもクラブヘッドが球の後ろの砂に触れていたことが判明し2打罰を受けていた。

 本人は映像を確認してペナルティを受け入れたが、ゴルフチャンネルの取材を担当したポール・エイジンガーは「あれがライの改善でなければ、他に何があるのだ。何が起きたのか、彼が何を考えているのか分からない」と酷評。キャメロン・スミス(豪)が「チートしている奴に同情なんかしない」と批判すれば、ブルックス・ケプカ(米)も「彼が何をしていたのかはよく分からない、砂の城でも建てていたのか。でも、自分のクラブくらいどこにあるか分かるだろ」と呆れた気味だったことは記憶に新しい。

 この後に豪州で開催されたプレジデンツ・カップでは世界選抜の「ホーム」ということもあり、リードがギャラリーのヤジの的になったことは言うまでもないだろう。

 もちろんペナルティとなったリードにも問題はあるが、これほどまでリードが叩かれる発端はどこにあるのかと紐解けば、時は2014年にまで遡る。

 この年のWGCキャデラック選手権を制したリードは、史上最年少でWGCタイトル奪取を達成。2013年の初優勝からトントン拍子でスターダムを駆け上がったが、当時のインタビューで「自分は世界でトップ5に入る」と豪語。ジュニア時代の記録などを並べ、タイガー・ウッズ(米)や他のレジェンドを除くと(その時点での)自分の実績ほどのゴルファーはいない」とした。

 ところが、その時のリードの世界ランクは44位。WGC優勝で20位に上昇したがトップ5というわけでもなく、批判の的となったわけだ。

 そして同年、スコットランドで行われたライダー・カップでは、最終日の7番でバーディパットを決めると、熱狂的な地元ギャラリーに向かって人差し指を口元に当て「シーッ!」というポーズを取り「ヒール」ぶりを発揮。欧州のゴルフファンに「目をつけられた」ことは間違いないだろう。

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インタビューでは意外に紳士的?