なんと、1994から1999年度生まれは55.5~78.8%あった接種率が、2000年度生まれは14.3%、2001年度生まれは1.6%、2002年度生まれは0.4%、以降1%未満と、2000年度以降に生まれた女性のHPVワクチンの接種率が大幅に減少していたことが大阪大学の研究グループによって判明しています。さらに、HPVワクチンの接種率が激減していた2000年度から2003年度生まれの女性では、子宮頸がん患者が約17,000人、子宮頸がんによる死亡者が約4,000人増加する可能性が示唆されるといいます。

 日本では副反応が懸念され続けているHPV ワクチンですが、HPVワクチンの有効性と安全性についてこれまで多くの研究が発表されています。

 例えば、韓国で2017年にHPVワクチンの接種を受けた11歳から14歳の女子約38万人とHPVワクチンの接種を受けなかった約6万人を調べたところ、33の深刻な有害事象とHPVワクチンの関連は認められなかったことが、今年の1月に医学誌に報告されています。昨年の10月には、スウェーデンの研究グループが2006年から2017年の間に10歳から30歳だった約167万3千人の女性を対象として4価のHPV ワクチンの接種と子宮頸がんの発症との関係を調べたところ、子宮頸がんの累積発生率は予防接種を受けた女性では10万人あたり47人、予防接種を受けていない女性では10万人あたり94人と、4価のHPVワクチン接種は子宮頸がんのリスクの大幅な低下と関連していることがわかったと報告しています。

 WHOは、2017年の諮問委員会による安全性に関する声明で、「HPVワクチンが承認されて以降、多くの大規模で質の高い研究・調査において、懸念されるような新たな有害事象は認められていない。HPVワクチンは極めて安全であると考えられる」との声明を出しています。

 一方で、ワクチン拒否やワクチンに対する信用度については、日本に限らず世界で問題です。しかしながら、日本は世界のなかで最下位レベルのようなのです。というのも、世界149カ国で実施された290の調査から得られたデータによる調査結果によると、ワクチンの安全性、重要性、または有効性に強く反対する回答者の割合が高い10カ国の一つに日本が挙げられており、「ワクチンは確かに安全である」と回答した割合も17%と、とても低いことが判明しています。この報告の中で、どうやら2013年にHPVワクチンの積極的な推奨を控えたことが災いしているようだと、考察がなされていました。

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日本は子宮頸がんの検診率も低い