国会で答弁する菅義偉首相。不祥事が続く中、補選・再選挙をどう乗り切るか (c)朝日新聞社
国会で答弁する菅義偉首相。不祥事が続く中、補選・再選挙をどう乗り切るか (c)朝日新聞社
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 止まらぬ不祥事に、菅義偉首相が追い込まれている。2月3日、菅氏の長男で放送事業会社「東北新社」に勤める菅正剛氏が、総務省の幹部官僚を料亭などで接待していたことが週刊文春の報道で発覚。国家公務員倫理法に基づく倫理規程違反の疑いを指摘されている。

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 菅氏は答弁の中で「私と長男とは、完全に別人格だ」と突き放したが、親子関係はどんなものだったのか。菅氏を古くから知る関係者が語る。

「菅氏が小此木彦三郎氏(元通産相)の秘書だったころ、政治家・中野正剛の著書を渡したことがある。竹下登元首相も中野の講演に感動して政界に入ったほどの人物。菅氏も感銘を受け、長男に『正剛』と名付けたそうです。多忙であまり家にいなかったから、男3人兄弟は真理子夫人がつきっきりで育てていました」

 選挙で家族を前面に出すことはなかった。菅氏の選挙事務所長を長年務めた齋藤精二氏が語る。

「菅さんの息子たちはほとんど選挙に関わらない。菅さんも彼らのことはあまり口に出しません。真理子夫人も地元事務所に来るのは選挙中だけですし、長男が選挙を手伝ったという話も聞かない」

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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