元大リーグ選手の松井秀喜氏(38)は、師である長嶋茂雄・元巨人軍監督(77)とともに国民栄誉賞を受賞することが決まった。二人には「奇跡を呼ぶ力」があると言われるが、松井氏のエピソードを披露しよう。
星稜高校3年の夏に出場した甲子園大会。明徳義塾戦で5打席連続敬遠され、敗退したのは周知の事実だ。5敬遠をして世間にバッシングされた投手は、その後、松井氏に救われた。現在は社会人野球チーム監督の河野和洋さん(38)だ。
「あの試合は、作戦勝ちだと今でも思っていますが、自分の中にわだかまりのようなものも、もちろんありました。いつだったか、松井さんが『敬遠された試合が原点だ』というようなことを話していて、救われた気がしました」
高校に続き、プロでも随一のスラッガーに成長した松井氏だが、その野球人生は豪快な“寄跡”の連続でもある。「寝坊すると活躍する」のだ。遅刻魔だった高校時代、自分の打順の直前に“出勤”し、準備運動もせずに特大の本塁打。ベンチに戻ると首を回しながら、こう漏らした。
「あー眠い」
巨人時代はオールスターに遅刻して、颯爽とMVPを獲得した。
※週刊朝日 2013年4月19日号
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