「ちょっと前までは土屋太鳳さんがこの手のCMによく起用されていましたが、最近はやっぱり本田翼さんの印象が強いですね。ZOZO TOWNのCMでは童謡・ももたろうをアレンジした替え歌『桃太郎ダンス』を披露して話題になりました。またオリジナルソングですが、チャルメラのキャラクターとしてもダンスを披露していますよね。正直、本田さんは特別ダンスがうまいというわけじゃないと思いますが、一般の消費者に踊ってもらったりマネしてもらったりすることが重要なので、あんまりうますぎる人だと逆にダメなんです。本田さんくらいのダンス力がぴったりというわけです」(広告代理店関係者)
■土屋太鳳はダンスがうまかったが……
たしかに本田翼のCMやダンスは脳裏に焼き付いて癖になる感じがある。彼女のように、ダンスCMタレントとして選ばれる基準はあるのだろうか。
「土屋太鳳さんはダンスがかなりうまいのですが、多用された結果、一部でアンチが湧いてしまいました。一方、本田翼さんは、適度なヘタウマ感があるので嫌いになる人は少ないのです。川口春奈さんもそういうタイプだと思います。とにかくスポットで脳裏に焼き付くほどに連呼されるので、うんざりしてしまいやすいから、そこを回避できるような好感度が必要です。それから『あの作品に出てた人』『あの役で出てた人』というイメージが強い人は実は難しい。本田さんはすごく人気があって認知度は高いのですが、正直これといった代表作がないのです。売れているのに固定した役柄やキャラのイメージがないというのは、この手のCMにおいて重要かもしれません」(同)
TVウォッチャーの中村裕一氏は、女優のダンスCMについてこう分析する。
「キャラとダンスの相関性は不明ですが、旬の女性が踊る姿は確かに目を引きますし、見ていて元気がもらえたり、心が癒されたりすることは間違いありません。近年では新垣結衣のポッキーダンス、佐々木希のロッテ『Fit’s(フィッツ)』のフニャンダンス、古いところだとSONYのVHS機での松本孝美のVダンスなども話題を呼びました。このことからも、決して今に始まったものではなく、そもそも時代を問わない普遍的なコンテンツであることがうかがえます。しかしながら、女性がただダンスを踊ればいいというわけではなく、それだけで間が持つタレント性や人間的魅力がにじみ出ることが大きなポイントになってくるでしょう。最初に『ダンス』ありきだと逆にハードルが上がって厳しいと思いますし、そこはやはりCMプランナーや演出家の腕の見せどころなのではないでしょうか」
求められるのは唯一無二の“CMモデル”であるということだろうか。(大沢野八千代)