──京セラの稲盛和夫名誉会長との本誌対談(14年)では、寿命が延びれば、高齢化社会に歯止めがきかなくなるのではないかという意見も出ました。
医学研究の進歩と共に、人生に対する考え方も変化していく必要があると考えています。健康寿命の延長に伴い、元気な高齢者が今後、急速に増加します。これまでのように、学校を卒業して社会人になり、60歳前後で定年を迎えるという1サイクルの人生ではなく、高齢者が活躍できる2サイクルの人生設計が求められていると思います。私も今年で59歳になります。どんな2サイクル目にするか、ワクワクしています。最初の挑戦として、昨年、京都大学iPS細胞研究財団を発足させました。患者さんごとに最適のiPS細胞を良心的な価格で提供することが目標です。
(構成/本誌・森下香枝)
※週刊朝日 2021年2月26日号